恋口の切りかた
私はまたほっぺたが熱くなるのを感じて、
どうしてなのかわからなかったけれど、どぎまぎして、

下を向いてしまった。


円士郎はそんな私と与一にじいっと視線を送っている様子で、私はさらにうつむいてしまって


「俺が探り出せたのは、その仕掛けが『アマテラス』と『ゲツドク』とかいう名前だってことと、『アマテラス』のほうは太陽の出ている晴れた日の昼間に、城下の屋外でしか使えねえってことだけよ」


与一は気にした様子もなくそう語った。


「アマテラス」に「ゲツドク」。


「天照」「月読」はそう読むらしい。

前に、月読に関して鬼之介が言っていたことは正しかったようだ。


「ちょうど今日なんかは絶好の天気だ。正体がわかってねえ以上、対策は外に出ないことくらいだ」

「……正体ならもうつかめてるぜ」

与一をちょっと睨むようにしながら円士郎が言って、女形に扮した侠客は目を丸くした。
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