恋口の切りかた
「え?」

きょとん、とする留玖の乱れた着物を直してやって、ためらいながら細い体を抱き締めた。

「……違うんだ……俺は──そんなつもりじゃ……」

「え? エン……?」

「ごめんな。酷ェ男だな、俺……」

びっくりした様子の留玖に謝罪を繰り返して、


身を離して彼女の顔を見つめて、頭を抱えた。


「くそ……一歩前進したかと思ったら──そういう解釈されるのかよ……!

お前……難攻不落の乱世の城かァ?
どれだけ攻めづれェ女なんだよ、留玖」

「へ? え……ええと……ごめんなさい……」

「謝らないでくれよ……」

俺は溜息を吐いて、


それから留玖の大きな瞳を真っ直ぐ覗き込んだ。


「恩があるから何されてもいいなんて──この俺に向かって、二度とそんなことは言うな」

「えっ? あ、あの……でも……」


留玖は何事か口の中でもごもごと呟いて、


「……はい」


頷いた。
< 1,503 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop