恋口の切りかた

唇が離れて、

円士郎が腕の中に私を強く抱き込んだ。


「エン……」

私は必死で円士郎にしがみついて、


「お慕いしています、円士郎様」


許されない言葉を、繰り返した。


「俺もだ、留玖」

円士郎の声が答えた。


「お前が愛しい」


円士郎の手が、私の頭を優しくなでてくれて、


「好きだ、留玖……」


私は、




このまま時が止まってしまえばいいのに、と思った。