恋口の切りかた
「へえ。兄上が殺されると思うんだ」

私の答えを聞いた彼は面白そうにそう言って、


私はやっぱり嫌な気分になった。


円士郎が殺される──なんて、たとえ話でも聞きたくない。


「じゃあ、留玖殿自身は?」

視線を落とした私にはお構いなしに、清十郎は重ねて質問した。

「伊羽殿と殺し合えば、どちらが死ぬと思う?」

私は唇を噛んだ。

どうしてこの人、こんな訊き方をするのかな。

「私が負けると思う」

私はそう答えて、

すると清十郎は面白そうに声を立てて笑った。

「そんな予測が立つということは、留玖殿は伊羽殿の腕前を見たことがあるってことか」

私はハッとして、

「そうじゃないけど……伊羽様は槍の免許皆伝者だって聞いたから」

慌てて言い添えた。

「単純に、免許皆伝の達人じゃないと勝てないんじゃないかなあって……」

「ああ、成る程な」

清十郎は鼻を鳴らして、何かを考えるように顎に手を当てた。

「免許皆伝者でないと勝てない……か」
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