恋口の切りかた
嫌だよ……。

大好きなエンに嫌われたら……私……


「エン、お願い……私のこと、嫌いにならないで……」


震える声で伝えたら、円士郎の喉が言葉に詰まるように音を立てて、


「──っ馬鹿野郎! 俺がお前を嫌いになるワケがねえだろうが……!」


息もできないほどの強い力で抱き締められた。


「ったく、お前は何度そう言えばわかるんだよ!」


苛立たしそうに怒鳴って、円士郎の唇が私の唇を荒々しく塞いで、


それから唇を離して、円士郎は忌々しそうに奥歯をぎりっと噛み鳴らした。

「海野清十郎の野郎……!」

怒りの滲んだ声で吐き捨てて、

「どこだ? あいつが触れた場所は──」

円士郎は何度も私の唇に荒っぽい口づけを繰り返した。

「他に何された? あいつはお前のどこに触れた?」

「エ……エン……?」

私は円士郎の態度にびっくりして、

円士郎は私に向かってかすかに唇の端を歪めて見せた。

「は。お前が他の男に触られたなんて知ったら……嫉妬くらいするの、当たり前だろうが」

激しい炎のような目に私を映して、彼はそう言った。


「全部──俺が消してやるよ……!」
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