恋口の切りかた
「な──!?」

五年前の雨宮との一件を彷彿とさせる内容に俺は息を呑んで、

「ほう」

と、青文が低く呟いた。


隼人たちの話によると、


今日の午前中、海野清十郎から何故か城下にある小料理屋に来るようにとの呼び出しがあって、

行ってみるとそこには、隼人や帯刀の他、家中で腕が立つとの噂がある数人の者が集められていたらしい。

そこで海野清十郎は、


「御家老が顔を隠しているのは、異人の血を引く盗賊だからだ」


とそう言ったのだそうだ。

聞けば、清十郎のもとにこの情報をもたらした者がいるとのことで──


つまりは、昨夜留玖に対して語ったのとほぼ同じ内容を料理屋の一室に集めた者にも聞かせたようだった。



俺は留玖から聞かされた話を思い浮かべる。

伊羽青文を討つならば、免許皆伝の確かな腕を持つ者でなければ無理だろうという会話をしたのが昨夜で、

今日の午前中には隼人たちに討てと言ってきたのか?

あまりに早いその行動に俺は驚いた。



「それで?」

青文は面白そうに帯刀と隼人を眺めた。

「お二人は何と答えたんで? では我々が討ちましょうと、そう言ったのかい?」
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