恋口の切りかた
まるきり他人事の、全く緊迫感のない茶化すようなセリフに、帯刀があからさまな渋面を作った。

「だったら今、こうしてここにいるはずがないだろう」

帯刀は不機嫌な声で答えて、

「当然断りましたよ、そんな話」

隼人が青い顔で言った。


青文は薄ら笑いを浮かべたままだったが、
二人の言葉に対しては何も言わず、ただじっと探るように二人の顔を眺めていた。

まるで、真偽を疑っているように見えた。


まさかこの二人が──嘘をついている可能性があるということか?


「本当ですって!」

青文の態度にすぐさま気づいた隼人が、悲鳴に近い声を上げた。


「話を聞き終えてすぐ、神崎殿が

『そのような曖昧な話を信じて、このような大それた行いに手を貸すことはできん』

とキッパリ言って席を立って、その場にいた者も皆断りました。

御家老様が昔賊だったなんて話、新参者の口から聞かされてそう簡単に鵜呑みにする奴はいないでしょうよ」


慌てた様子で隼人が口にした言葉に、
元盗賊の御家老はククッと喉を鳴らして、総毛立つような笑いを浮かべた。


「確かにねェ。他の者はそうかもしれないが──」


青文は口元に薄笑いを貼りつかせたまま、鋭い緑色の目で二人を見つめた。


「神崎、秋山、お前ら二人は違うだろ」
< 1,685 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop