恋口の切りかた
俺は、のろのろと彼女の上から退いて、

仰向けのままの彼女の傍らに座って、大きく開いた寝間着の前をそっと合わせてやった。


それから俺は、
ほどけた彼女の帯を、固く固く結んで──



「どうして……!?」



悲鳴のような声で留玖が言って、



「だって、お前は──殿様の側室になるんだから……」



微笑みながら答えた俺の声は、情けないほどに震えていた。
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