恋口の切りかた
言いながら、口にした言葉の空々しさに苦笑した。
そんなことが、互いに許されないことくらいわかっている。
「いいよ、私……エンとだったら──離ればなれになるくらいなら──」
留玖が俺の胸に顔を埋めて、こくこくと頷いて、
「ばか」
俺はその背中を優しくなでた。
駆け落ちも、心中も──家の罪になる。
俺と留玖が身分のない、ただの町人だったら可能だったかもしれないが……結城家があるのだ。
親父殿や母上、冬馬、雪丸、りつ殿──
そんな真似は許されない。
それに──
「お前を幸せにするって決めたんだ……ずっと……そう思って生きてきた……」
彼女の髪紐をほどいて、髪をなでる。
「お前を不幸にするような真似、できるかよ……」
そんなことが、互いに許されないことくらいわかっている。
「いいよ、私……エンとだったら──離ればなれになるくらいなら──」
留玖が俺の胸に顔を埋めて、こくこくと頷いて、
「ばか」
俺はその背中を優しくなでた。
駆け落ちも、心中も──家の罪になる。
俺と留玖が身分のない、ただの町人だったら可能だったかもしれないが……結城家があるのだ。
親父殿や母上、冬馬、雪丸、りつ殿──
そんな真似は許されない。
それに──
「お前を幸せにするって決めたんだ……ずっと……そう思って生きてきた……」
彼女の髪紐をほどいて、髪をなでる。
「お前を不幸にするような真似、できるかよ……」