恋口の切りかた
頬を濡らしたまま、腕の中で愛しい少女が眠りへと落ちてゆく。


初めて、

本当にどうにもならないことがあるのだと知った。


もはや俺にはこの少女を、己の手で幸せにしてやることができないのだと、


思い知った。


どんなに大切でも。

好きでも。

愛していても──。




この夜、

俺は留玖の寝顔を見つめて、
一人、涙が頬を伝い落ちるのを感じた。


こんな風に泣くのは、何年ぶりだろうと思った。
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