恋口の切りかた
夢を見た。



刀丸が、笑顔で俺に手を振っている。


俺は彼が彼女であることをまだ知らず、


やがて少女の愛しさを知り、
俺たちは共に成長して、互いに思い合うようになって、


俺の横にはいつも留玖がいて、


俺たちは結ばれて、夫婦となって、子供が生まれて──



そんな幸せな夢だった。



留玖のそばにいてやりたかっただけじゃない。


いつの間にか俺は、

彼女に俺のそばにいて欲しいと思うようになっていた。



朝の光に射抜かれて、

永遠に覚めなければいいと思った夢から目覚めて、



「留玖……」


俺は眠る少女の頬をなでた。

決心が、ついた。


少女が夢から覚める。

泣きはらした真っ赤な目が俺を見つめて、


「幸せになれよ」


俺は、その瞳に言った。
< 1,874 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop