恋口の切りかた
留玖が、大きく目を見開いた。



「俺は結局、お前を幸せにしてやることができなかったが──」



永遠に手の中から失われようとするその頬の温もりを忘れぬように、

何度も、何度も、優しくなでる。



「お前はちゃんと、幸せになれ」



まん丸に見開いた目が、揺らめいて、



「幸せに、してもらえ」



揺らめきが溢れてこぼれ落ちた。



大声を上げて、俺にすがりついて泣き続ける少女を腕に抱いて、





受け入れた。


親に見放されて泣きじゃくっていた幼い女の子。

彼女を俺の妻にして、
涙を止めて、
泣き顔を笑顔に変えて、

幸せにしてやりたい。


ずっと願い続けて見ていたその夢が、終わったのだと。
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