恋口の切りかた
清十郎に従っていた供の家来が戸惑ったように顔を見合わせて、

たちまち帯刀が連れてきた者たちとの間に緊迫した空気が流れた。


「な──!? 神崎、貴様──」

初めて、清十郎が驚愕の表情を作った。

「寝返ったのか……!?」

「寝返った?」

帯刀は眼光鋭く清十郎を見据えたまま言った。

「兄が切腹して果てたことで結城様を恨むなど、武士にあるまじき逆恨み。

貴様こそ、そんなことで武士が主君への忠義を違えるとでも思ったか?」


言葉を失っている私たちに、隼人が笑顔を向けて、

「俺は神崎殿にかくまってもらってたんですよ」

と告白した。


「秋山隼人は、死体を検分したことにして、切腹したと偽っておいたまで」

帯刀はそう言って、槍を構えた覆面家老を見た。

「責任は全て、そこの城代家老様がとると仰っていたんでな」


「えっ……?」と、円士郎が驚いた様子で声を上げた。

「青文、どういうことだ!?」
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