恋口の切りかた
「ようくわかったぜ。

てめえが他人のことを道具としか見なさねえ──いかに身勝手な人間かってことがな」


大きく歪んでしまった盗賊の青年に円士郎はそう言って、

悲痛に満ちた表情で二人の兄をじっと見つめている冬馬を振り返った。


「冬馬、お前の代わりに──こいつにはこの俺が引導を渡してやる。それが情けだ」


迷いのない目でそう口にできてしまう円士郎は、私にはやっぱり鮮烈な光のように思えた。

強くて、
眩しくて、

どこまでも真っ直ぐで──


揺るぎなくて──


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