恋口の切りかた
霧雨の中、

俺と留玖の刃が交わるたびに、濡れた刀身からキラキラとしずくが散る。


「おいおい、どうなってんだよ、こりゃ……」


互いに峰打ちの握りではあるが、真剣で斬り合いを始めた俺と留玖の横から、ボーゼンとした隼人の声がした。


「有り得ねー」


そんな呟きを聞きながら、

上段から斬り下ろす留玖の刀を片手に握った刀で横にいなす。


女の力とは言え、まともに受ければ刀を叩き落とされる一撃だ。

当然、留玖もそれが目的だろう。


俺が横に打ち払って、前ががら空きになると見るや、

彼女はすぐに俺の刀を潜らせて脇を狙ってくる。


さすがに細やかな身のこなしは相手のほうが上だ。


峰打ちとは言え、食らえば肋骨を折られる。


だが、こういう時の留玖の動きは俺も熟知している。

俺は既に大きく後ろに飛び下がって間合いをとっている。


追いすがって斬りつける留玖と刀を合わせて──
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