恋口の切りかた
一口、すすって──

「熱っ……」
「──っ! 悪ィ、平気か留玖」

猫舌の私は小さく叫んで、円士郎が慌ててお椀を引いた。


「火傷してないか? 大丈夫か?」

円士郎は心配そうに言ってくれて

「今、冷ましてやるから」

お椀のお粥をふうふう吹いてくれた。


そんな円士郎を眺めながら、私は胸の辺りに温かいものがふわっと広がるのを感じて──

悲しくなった。


円士郎は優しい。

普段は乱暴な物言いが多いけれど、
こんな風に私が辛い時はいつも、今みたいに優しくしてくれる。


なのに──どうして何の関係もない人を……


……わかんないよ。
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