恋口の切りかた
「これから帰りにうちの屋敷にそのタカ連れて寄ってけ」


俺は言いながらムサシとかいうタカを眺めた。

白い羽根が混じっていて、見た目は綺麗なタカだ。

留玖が喜ぶかな、とか脳味噌の片隅で思って──




いきなり脇差しを抜いて秋山に斬りつけた。




「うおっ!?」

秋山が声を上げ──



しかしその不意打ちの一撃を

半身を捻るだけの最小動作でかわす。



と見た瞬間、続けて俺は首を狙う。


その横薙ぎの剣すらも

秋山は半歩退いたのみでキッチリ避け──




大きく飛び退いて俺から距離を取った。




ここでようやくタカが、悲鳴を上げて飛び立ち騒いだ。


「かわしたな」

俺はほくそ笑む。

「そりゃ、かわすに決まってんでしょーが」

秋山は片手を脇差しの柄にかけ、

抜き身の脇差しを振り抜いた体勢のままの俺に、引きつった顔を向けた。

「な──何考えてんですか、アンタ!?
乱心かよ。城中私闘は御法度、両成敗だぞ……!」
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