恋口の切りかた
何でも、隼人が連れてきたムサシというタカをうちで飼うことにしたんだとかで

その日から隼人はお城勤めの帰りに、タカの世話をしにうちに寄るようになった。


ついでに何度か手合わせしてもらったら、

私の剣は結構かわされて、


彼は目がいい、
それから間合いの取り方が凄く上手い、

ということがわかった。


相手の動きを見切ってかわすのが滅茶苦茶上手いのだ。


聞けば、開現流は小太刀術の流派なのだそうだ。



私と手合わせした隼人のほうは、何やら「有り得ねー」を連発していたけれど

……どういう意味だろう。




数日後、円士郎が焼死事件のことで鬼之介の所に行くと言うので、

あれから気になりっ放しだった私も一緒について行った。


あんな奇怪な出来事が、人為的なものだなんて信じられない。


なんて思いながら、鬼之介の長屋に着くと

中には遊水が来ていて、それなのに鬼之介は上機嫌だった。


鬼之介は、

「これはこれは円士郎様、番頭への着任おめでとうございます」

などと浮かれた調子で言って、

「あー鬼之介、悪ィがてめえを雇うのはもう少し先になりそうなんだが……」

困ったように円士郎が返しても、構わん構わんとご機嫌だった。


「金ならこいつから今、もらったところだ」


見れば、鬼之介の前には小判が積み上げられている。
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