恋口の切りかた
「どういう意味だ?」

と、これには円士郎も眉間に皺を寄せた。


「なんだ」と遊水は笑って、

「銀治郎親分さんから、『鵺の大親分』については聞いたんじゃねえのかい?」


コン、と音を立てて煙管の灰を落とし、そう言った。


「まあ、その話については親分さんに聞いたほうが早いぜ。それより『カガチ』だ」

「『白輝血』だろ?」

「白かろうが赤かろうが『輝血』は『カガチ』さ。
そのカガチが──最近頻繁に、芝居小屋に出入りしてる」


「芝居小屋って……三人橋の近くの?」

私は何となく、あの狐のお面を思い出しながら尋ねた。


左様で、と遊水は頷いた。


「そしてその度に、城下では『虎鶫』の焼死体が出る」

「なんだそりゃ……どういう関係が──」

「さてね。俺が調べたのはそこまでだ」


遊水は再び煙管に煙草を詰めて吸い、フウッと煙を吐き出して円士郎を見た。


「で? 円士郎様もここに来たってことは

何か、鬼の字の旦那に有意義な情報を持って来たんじゃねえのかい?」


円士郎は、しばし何か物言いたげに金髪の操り屋を眺めてから、

「こいつは絶対に口外無用だ」と念を押して、


城で聞いたという話を私たちにした。
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