恋口の切りかた
「聞きたいのは、鵺の大親分のことでやしょ?」
湯飲みを口に運びながら、銀治郎は坪庭に視線を送り、そう言った。
「まずね、白輝血ってのは──カガチのことです」
店先ではすぱすぱと煙管をふかしている銀治郎だが、
何故かこの座敷では煙草を吸わない。
こだわりでもあるのか、いつもここで傾けるのは湯飲みだ。
「円の旦那とおつるぎ様はカガチって何のことだかわかりやすか?」
夕刻が迫り、薄暗い座敷には、
俺と留玖が銀治郎と向かい合って座っている。
問われて、留玖と顔を見合わせる。
「カガチっていうと──」
俺は赤い実の植物を思い浮かべた。
「ホオズキのことだろ?」
「ああ、いやいや。そりゃ『赤輝血』でさ。
もっとも、兵五郎の野郎は最近、赤輝血と名乗りたがってるみてえでやすがね。
白かろうが赤かろうが、あいつが『カガチ』だってことは変わるめえに……」
そう言や、遊水もそんなことを言っていたな。
「カガチってのはね、ホラ、
ヤマカガチとかヤマカガシとか言うでやしょ」
と、貸元は俺と留玖ににじり寄り、声を潜めた。
「つまり、蛇のことでやすよ」
湯飲みを口に運びながら、銀治郎は坪庭に視線を送り、そう言った。
「まずね、白輝血ってのは──カガチのことです」
店先ではすぱすぱと煙管をふかしている銀治郎だが、
何故かこの座敷では煙草を吸わない。
こだわりでもあるのか、いつもここで傾けるのは湯飲みだ。
「円の旦那とおつるぎ様はカガチって何のことだかわかりやすか?」
夕刻が迫り、薄暗い座敷には、
俺と留玖が銀治郎と向かい合って座っている。
問われて、留玖と顔を見合わせる。
「カガチっていうと──」
俺は赤い実の植物を思い浮かべた。
「ホオズキのことだろ?」
「ああ、いやいや。そりゃ『赤輝血』でさ。
もっとも、兵五郎の野郎は最近、赤輝血と名乗りたがってるみてえでやすがね。
白かろうが赤かろうが、あいつが『カガチ』だってことは変わるめえに……」
そう言や、遊水もそんなことを言っていたな。
「カガチってのはね、ホラ、
ヤマカガチとかヤマカガシとか言うでやしょ」
と、貸元は俺と留玖ににじり寄り、声を潜めた。
「つまり、蛇のことでやすよ」