恋口の切りかた
「昔、城下にいたカラクリ人形師だろう? 四、五年前にフラッといなくなったと思ったら、最近また戻ってきたと聞いた。

ふん、ボクの真似か、戻ってきてからは人形以外の発明にも手を出してるらしいな」


鬼之介は鼻を鳴らしてそう言った。


「ん? そいつ、昔は人形以外の発明はしてなかったのか?」

「ああ。名前の通り、カラクリ人形一筋で人形を作っていた男だ。
確かに芝居小屋の人形も手がけてるだろうな」


ふむ?

昔は人形一筋だった男が、戻ってきてからは発明を始めたということか。


それから鬼之介は顔をしかめて鳥英を見た。

「不気味な狐面とは……何のことだ?」


その問いに鳥英が口にしたのは、予想外の答えだった。


「人形斎を名乗る男なら、少し前にここに来たぞ」
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