恋口の切りかた
は。遊水の情報どおりかよ。

「よォ、最近にわかに芝居好きになったらしいじゃねえか」

俺は冷笑を作って兵五郎に言った。

「俺の芝居好きは昔からでさ」

涼しい笑顔で兵五郎は流した。

「そうかい? じゃあ最近ご執心なのは芝居じゃあなくて、カラクリ人形のほうか」

「なんだとォ」

俺の言葉に、取り巻きの子分たちが色めき立った。

おいおいやめときな、と兵五郎は子分たちに声をかけて、


顔から笑いを消して俺を見た。


「武家のお坊ちゃまが、銀治郎に頼まれて俺たちをかぎ回ってらっしゃるのかい?」

兵五郎は氷のような目で、

「火遊びが過ぎると、文字通り火傷しますぜ」

と言った。

「あの同心みてえになりたかねえでしょう?」

「──片瀬のことか!? やっぱりてめえらが……」

「おっとっと」

兵五郎は極寒の視線を俺に注いだまま、口元を吹雪のような笑いで彩った。

「たとえ話、ですよ、お坊ちゃま」


この野郎──。


俺は兵五郎を睨み据えて、


取り巻きの中に、暗夜霧夜の顔がないことに気づいた。
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