恋口の切りかた
【剣】
円士郎と白輝血の兵五郎が険悪な雰囲気で言葉を交わし合っている──
と思ったら、
若い親分さんの後ろにいた、剣客風の人が前に出てきて、
目が合った。
ぞくりとする。
にやにやとした締まりのない表情を貼りつかせた、少年のような印象の浪人だった。
齢は私や円士郎よりもずっと上で、二十五、六くらいなのではないかと思えたけれど。
「蜃蛟の伝九郎」
うっすらと笑いを形作った口が
ボソッとそんな名乗りを上げて、
シンコウ? って何だろう。
私がボンヤリそんなことを考えた瞬間、
にやけていた青年が腰の刀を抜く。
円士郎や鬼之介には目もくれず
彼は一息に私との間合いを詰め──斬りつけてきた。
にやにやした表情のままで。