恋口の切りかた
いつの間にか、周囲には人だかりができていた。


「おっと、これ以上はカタギの皆さんに迷惑がかかっていけねえな」

兵五郎がそう言って、

「先生、今日はここまでにしましょうや。おう、行くぞてめえら」

子分たちを促し立ち去っていく。


ぱちりと、伝九郎が刀を納めた。


「はは。面白いなお前たち。さすが名のある武芸の家だ。

虎鶫の決着がついたあかつきには……楽しみだのう」


「──どういう意味だ!?」


円士郎が聞き返して、「さて」と伝九郎はとぼけた。



「結城家も厄介な相手に目をつけられたものよな」



そんな言葉を残し、


伝九郎は白輝血の兵五郎たちの後を追いかけて、人混みの向こうに消えた。
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