恋口の切りかた
「まさか円士郎様、人形斎さんが巷の事件に何か関係してるってのかい!?」
与一に両肩をつかまれて、俺は眉を寄せた。
なんで与一が人形斎のことでこんなに必死になるんだ?
わからなかったが、俺はここに来た本題を口にすることにした。
「カラクリ発明家の人形斎って野郎が、ここに出入りしていると聞いた。
そして巷で怪死事件が起きる前には決まって白輝血の兵五郎もな」
「円士郎様、まさかあんた……」
「回りくどいのは好きじゃねえ。単刀直入に言うぜ。
俺は、兵五郎の奴が人形斎って野郎に、怪死を装って人間を焼き殺すよう指示を与えるために、この鈴乃森座に出入りしてるんだと思ってる」
「何を仰るんだい──」
与一が青い顔で絶句した。
「いや、正確には──そう思ってた、と言うべきかな。
白輝血の兵五郎が会いに来てたのが、人形斎じゃあなくってあんたとは──どういうことなのか聞きてえな、蚕糸さん」
俺のほうに顔を向けている蚕糸は相変わらず、人の良い笑顔のままだった。
「円士郎様と仰いましたかねえ。お噂を聞けば、銀治郎一家の親分さんたちと仲の良いご様子。
つまりこれは──御武家の若様がお役人として調査されているのではなく、渡世人の肩を持っての私情によるお調べ。
……ということですよねえ?」
「──目が見えねえわりに、よく知ってんじゃねえか」
「目が見えない代わりに、耳は良いもので」
「はっ。それで? もしも私情で俺があんたに質問してるとしたら?」
「円士郎様のご質問」
蚕糸は穏やかに笑った。
「私にはお答えする義務も義理もございませんね」
この野郎……!
俺は内心舌を巻く。
愛想の良い顔しやがって、こいつもクセモノじゃねえのか?
与一に両肩をつかまれて、俺は眉を寄せた。
なんで与一が人形斎のことでこんなに必死になるんだ?
わからなかったが、俺はここに来た本題を口にすることにした。
「カラクリ発明家の人形斎って野郎が、ここに出入りしていると聞いた。
そして巷で怪死事件が起きる前には決まって白輝血の兵五郎もな」
「円士郎様、まさかあんた……」
「回りくどいのは好きじゃねえ。単刀直入に言うぜ。
俺は、兵五郎の奴が人形斎って野郎に、怪死を装って人間を焼き殺すよう指示を与えるために、この鈴乃森座に出入りしてるんだと思ってる」
「何を仰るんだい──」
与一が青い顔で絶句した。
「いや、正確には──そう思ってた、と言うべきかな。
白輝血の兵五郎が会いに来てたのが、人形斎じゃあなくってあんたとは──どういうことなのか聞きてえな、蚕糸さん」
俺のほうに顔を向けている蚕糸は相変わらず、人の良い笑顔のままだった。
「円士郎様と仰いましたかねえ。お噂を聞けば、銀治郎一家の親分さんたちと仲の良いご様子。
つまりこれは──御武家の若様がお役人として調査されているのではなく、渡世人の肩を持っての私情によるお調べ。
……ということですよねえ?」
「──目が見えねえわりに、よく知ってんじゃねえか」
「目が見えない代わりに、耳は良いもので」
「はっ。それで? もしも私情で俺があんたに質問してるとしたら?」
「円士郎様のご質問」
蚕糸は穏やかに笑った。
「私にはお答えする義務も義理もございませんね」
この野郎……!
俺は内心舌を巻く。
愛想の良い顔しやがって、こいつもクセモノじゃねえのか?