恋口の切りかた
私の様子を確認して隼人の目に満足の色が浮かび──




すぐに不審の色を浮かべて、彼は目を動かして、


円士郎のほうを見た。


円士郎はこの状況でも「それまで」と言わない。

隼人が、なぜ勝負を終わりにしないのかという疑問の表情になって、


「知ってるよ、隼人さん」


私の声で、隼人の表情が凍った。

この体勢になったら、逃れようともがくことに体力を使っても無駄だ。だから私は抗うのを放棄して──


「自分が、男の人に勝てない部分は──嫌と言うほど知ってる」


そう口にした時には既に、


私は右手の人差し指と中指を広げてそれぞれ、隼人の両目ぎりぎりに突きつけ、

左手の爪を立てて頸動脈の位置に当てていた。


「それまでだ」と円士郎が静かに言った。
< 899 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop