恋口の切りかた
それから
隼人は納得してくれたのか、私が円士郎の手伝いをすることを認めてくれた。

絶対に一人で身の危険があるような調査をしないという条件付きで。


「最低限、俺か円士郎様のどちらかと一緒に行動してくださいよ」


隼人は私にそう念を押して、やっぱりちょっと心配しすぎなんじゃないのかなあとは思ったのだけれど、

それは私が女の子だということを気にかけた扱いだった。

円士郎は時々私をからかったり、さっきのように「女だ」と言ったりして、私の胸はうるさく音を立ててしまうのだけれど、
常日頃は、父上や虹庵や冬馬と同じで、私を武芸者として男と対等に扱ってくれていて、

一方、遊水や鬼之介のほうは、女の子として扱ってくれていてもそれは結城家の息女に対する敬意のようなものを伴った態度で、

だから、こんな風に純粋に真面目に女の子扱いされて、本気で女の身を案じてもらうと、照れくさいような嬉しいような……


「あ、あの……心配してくださって、ありがとうございます」


あれ? 円士郎にからかわれたわけでもないのに私、何だかどぎまぎしてる? と思いながらお礼を言うと、


「ふーん」と、隼人はそんな私を眺めて、円士郎に視線を送り、


「滅茶苦茶いい子だよな」


なんて言った。


「可愛いし、美人だし」

「なっ──」

円士郎が表情を強ばらせて、

「え? ええっ……」

私は真っ赤になってしまった。

「いや~、照れちゃって、ホント可愛いねえ」

隼人はうつむいた私に、更にそんなことを言った。

「今年おいくつでしたっけ?」

「十七です……」

「へえ。やっぱり縁談とか引く手あまたなんでしょうねえ」
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