恋口の切りかた
思いッきり図星だった。
俺の感情筒抜けかよ。

留玖の性別を一目で見抜いたことと言い、こいつの他人に対する観察眼は大したものかもしれないな、と感嘆する。


「あ……秋山様」

むせ返りながら、鬼之介が口を開いて、隼人が苦笑した。

「様なんてつけなくていいって。俺もこのお坊ちゃんにいきなり取り立てられるまでは、宮川家と同じ小組の士分だったしな」

「では、秋山殿。秋山殿は、まだ二人と知り合って間もないと聞くが……よく、すぐに……その……気づいたな」


目を白黒している鬼之介とは対照的に、隼人は澄ました顔で酒を傾けた。


「まあ、すぐに気づくだろ、あそこまでわかりやすいと」

「……ボクは全く気づけなかった。気づいたのはつい先日だ」

「そいつはまた、鈍いことで」


肩をすくめる隼人に、鬼之介は目を丸くして未知なる驚異と相対したかのような視線を送った。


それから酒を片手に話を交わすうち、隼人はすぐに鬼之介が留玖に岡惚れしていることにも気づいた様子だった。


「つうか、円士郎様も無茶な思いを抱いてると思うけどよ、お前のほうはどう考えても完璧に無理だろうがよ」

隼人はにべもない言葉を放って、酒が回っていた鬼之介が激怒した。

「何だと!? 如何なる理由あって頭から無理だなどと決めつけて……」

「あのなァ、養女とは言え相手は先法家の長女だぞ? 言いたくねーけどお前、自分の身分ってモンをよく考えろよ」
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