恋口の切りかた
「これはこれは、いつも焼けますね」

などと部屋の中で座っていた遊水がニヤニヤし、


「ななななな何をしてるのだ貴様ァッ!」

鬼之介が円士郎に食ってかかって、


「うるせーなァ、聞き分けのねえ留玖が悪いんだよ」

と、円士郎が何だか嬉しそうな顔で言った。


──私が悪いの!?


納得できずにいたら、そんな私の様子を見て風佳が

「あの、ひょっとしてお嫌だったのではないですか? でしたら、ご無理されなくても……」

と、申し訳なさそうに怖ず怖ずと口にした。


「そ、そんなことないよ」

私は慌てて、

円士郎が「だよなァ、せっかく風佳がこうして泊まりに来てくれてるんだもんなァ」と意地の悪い声で満足そうに言って私を畳の上に下ろした。

うう、なんでこうなるのだろう。

私は泣きそうだった。


やはり、いじめっ子だった円士郎に怖がりだということを知られたのが運の尽きだったのかもしれない。
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