大好き、ばいばい【実話】
私は鞄を握りしめ、
ゆっくりと彼に歩み寄り
何個か席を飛ばして彼と距離をとりつつも隣に座った。
ただ隣にいるだけなのにこんなにどきどきするんだね...。
彼は私に気付くことなく窓の外に広がる景色を見つめる。
バスがゆっくりと動き出し、
私の心臓の音はエンジン音にかき消された。
となりにいる彼は私に一回も目をくれず、
そのまま終点に着いてしまった。
私は彼の前にバスを降り、定期を出そうと鞄のポケットに手を入れた。
あれ???
バックの中を探っても見つからない...。
なくしちゃったかな~...
慌てる私に、
声をかけたのは----
彼でした。-----