大好き、ばいばい【実話】

私は鞄を握りしめ、
ゆっくりと彼に歩み寄り

何個か席を飛ばして彼と距離をとりつつも隣に座った。



ただ隣にいるだけなのにこんなにどきどきするんだね...。

彼は私に気付くことなく窓の外に広がる景色を見つめる。





バスがゆっくりと動き出し、
私の心臓の音はエンジン音にかき消された。






となりにいる彼は私に一回も目をくれず、

そのまま終点に着いてしまった。




私は彼の前にバスを降り、定期を出そうと鞄のポケットに手を入れた。




あれ???






バックの中を探っても見つからない...。



なくしちゃったかな~...



慌てる私に、




声をかけたのは----





彼でした。-----






< 13 / 20 >

この作品をシェア

pagetop