キラめく堕天使
その両手でやっと持てるくらいの、ダイヤは大きな塊だった。
しかし、ダイヤってそのままの形で埋まっているもんだろうか?
そういえば、シュロスが、ここでは宝石は人間界とは違った存在のしかたをしていると言ってたっけ。
きっと、ダイヤや色々な宝石は、ここにごろごろと埋まっているんだろう。
「おお!」
手を休めてなかった工夫の一人が叫んだ。
そいつは、今掘った、穴の中から、一抱えもある透明な緑色の塊を取り出した。
「素晴らしいエメラルドだ。今夜は大きな収穫だな」
さっき地図を広げていた、ちょっとえらそうなヤツが言った。と、
「その通り」
オレの真後ろから声はした。
オレは飛び上がった。
それから振り返ると、中にいるのと仲間らしい小人がオレに向かって槍を突きつけていた。
白雪姫の七人の小人を連想していたのに、その顔の大半は大きな黒いくちばしが占めていた。
その上にちょこんと三白眼が乗っている。
「今夜のエモノにフィックスも加えよう」
そいつは言った。
エモノ?
まさか、オレを食らう気か?
オレはまじまじと小人の大きなくちばしを見た。
しかし、そいつの目は愉快そうに笑っていた。
「行け。」
オレに命令すると、槍の先で尻を突付いた。
「痛いって!」
怒ると、くちばしの根元に開いた鼻から、フンと息を漏らした。