キラめく堕天使
 少し広く開いたところへ出たが、そこもやっぱり天井は低かった。

 小人が自分達のサイズに合わせて掘ったようだ。

 そこには岩をくり抜いて作ったらしい大きくオレの目からは低いテーブルがあり。回りを取り囲むように置かれた石の椅子の上には何人かの小人が座ってこちらを見ていた。

「おお。」

 一人がオレを見て呟いた。

「こいつも我らゴブリンのお宝にするのかい?」

 女らしき声が言った。

 しかし、こいつらはゴブリンだったのか。

 ゴブリンって、妖精だよな。見た目は悪いけど。

 変なことを知っている自分が今はちょっとだけありがたかった。

 確か、働き者の、妖精だ。

 妖精ってことは、悪意はないってことだろう。

 オレは少しホッとした。

「行け」

 くちばしの黄色いゴブリンにまた突付かれて、オレは奥にある扉の前まで行かされた。

「そうだ。そこでいい」

 オレは、さっきより一段と小さいドアの入り口をあけた。

 中は真っ暗だった。

「明りを」

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