キラめく堕天使
 黄金というのは、鉄塊のくせに、嫌に温かみがあるのだな。

 すわり心地が良い。

 ランプを膝に置き、目線を下げて、黄色くちばしを見ると、後ろから別のゴブリンが、手に何かを持って入ってきた。

 黄色くちばしは道を空けた。

 新しいゴブリンは、アメジストをスライスしたトレーに、青と赤の杯を載せて傍に来た。

「どうぞ」

 トレーは高々と差し上げられた。

 それでも背の低いゴブリンの体では限界がある。

 オレは体をくの字に折り、手を伸ばして青い杯を取った。

 それは透明な水晶をくり抜いて作ったグラスだった。

 青く見えたのは、中に入れられた液体が青いせいだった。

「飲め」

 黄色くちばしが槍の先をオレに突きつけた。

 毒かも知れない。

 一瞬そう思ったけれど、不思議とそれ以上危険を感じなかった。

 オレはグラスに口をつけた。

淡く暖かい口ざわり。

味はない。

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