キラめく堕天使
「第一あなた動けなかったじゃない」
アメシスはクスクスと笑った。
そうだった。
オレは彼女に助けられたのだ。
「あ、あのアメシス。ありがとう助けてくれて」
「あら、まだお礼を言うには早いわよ」
言うと、アメシスはオレの両腕を掴んだ。
そのまま、力を込めて引っ張りあげる。
「うーん。けっこう重いわね。
これじゃ、下りる、というより落ちるかも」
言いながら、オレをぶら下げて、窓をくぐった。
嫌でも目の下が遠くかすんで見えないほどの深い谷の淵なのが見えてしまう。
こっ怖ええ。
オレはアメシスの腕に捕まった。