キラめく堕天使

アメシスの頭が、水面から少し出ていた。

 それから沈んで、指先が見えた。

 溺れているらしい。

 オレはゆっくりと、流れに逆らって、クロールでアメシスに近づいた。

 アメシスはオレをその目に捉えると、必死で手を伸ばしてきた。

 この手に捕まると危ないのだ。

 相手は必死である。

 一緒に溺れていく羽目になるのは目に見えている。

 オレはすがり付こうともがいているアメシスから一旦離れて、後ろに回りこみ、彼女の背中から手を回そうとした。

 ところが、彼女には普通の人間と違い、羽根がある。

 傷付けてはいけない。

 オレは彼女のウエストに手を回して、水から救いあげた。

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