キラめく堕天使
 オレは水を掻く手に力を込めた。

 だいぶ流れに押し流されつつも、岸へ手が届いた。

 もう大丈夫。

 自分の体を岸へ引き寄せて、アメシスを岸へあげた。

 彼女は落ち着いてい、半分自分で岸へ乗りあがった。

 よかった。

 安堵のあまり、力を抜いて溺れそうになった。

 水にごぼっと沈んで。

 そこで、ジュランの顔を思い出した。

 水の中で目を閉じていた彼女。

 そして、牢獄で苦しんでいた彼女。

 心臓が波打つ。

 息が出来ないからなのか、何なのかわからない。

 とにかくオレは、こんな所でのん気に溺れている場合じゃないってことだけは思い出せた。

 
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