キラめく堕天使

彼女の視線の先を追ってみる。

けれど、短い芝のような草に混じって、桔梗のような花が咲いているのしか見えなかった。

丈は短く、点々と、折り紙の紫で作ったような濃い色の花びらを広げている。

オレは立ち上がって、それを上から覗き込んだ。

紫色の花びらは、本来おしべやめしべのあるべき場所に、自分と同じ色の濃い塊を抱いていた。

石、だ。

「アメジストだ」

「そうね。出来るだけいっぱい取っておくといいわ」

 アメシスは起き上がって、花びらの中の石に手を伸ばした。

「もらうわね」

 言って、丸い紫の石に触れた。

本来、アメジストは水晶なので、とがった結晶の形をしている。けれど、この花の持っているアメジストはキレイなまん丸だった。

アメシスはその粒を引っ張った。

 ぽんと微かな音がして、それはアメシスの指の間にもぎ取られた。

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