キラめく堕天使
エレナは眉根を寄せて振り返った。
エレナの後ろは壁で行き止まりだ。
けれど、彼女は右手に細く奥に進む道があるのに気付いて小さく悲鳴をあげた。
「これがお城へ続いているんだとしたら、あたしはとんでもないところに隠れたことになるわ」
「そうだね」
言って、オレはエレナに手を貸した。
自然にそうしただけなのに、エレナはオレをちょっと見上げて赤くなった。
そうだった。
今のオレは超絶美形。
かどうか知らないが、美形なんだった。
元天使の心も蕩かすくらいの。
差し出した、エレナの手を引っ張って彼女の身体を水の中から救い出した。
オレは、すぐに手を離した。
今までは考えもつかないことだったけれど、この姿でいるときは気をつけないといけないようだ。
堕天使をさらに誘惑してどうする。
オレは狭まった道に足を踏み入れた。
先は確かに上り坂になっている。
と、不意に紫の発光が消えた。