キラめく堕天使

 ゴブリンの置物は通るものを導くように立っていた。

 ゴブリンの背に合わせたような木は、二メートルほどのところで成長を止め、枝を目いっぱい四方に伸ばしている。

 まばらなその影から突き出るようにゴブリンの巨像は置かれてある。

 木の高さを遥かに上回る大きさである。

 自分達の小ささを、憎み、その巨像に、理想を託しているように見える。

 オレは木が避けるように作られている小道を歩いた。

 先の方に、小さく城が見える。

 何かおかしい。

 オレはちょっと考えた。

「エレナ?あの城、崖のすぐ上にそびえてなかった?」

 エレナはふんわりと笑った。

「騙されたのよ。

ここでは見たものを見たまま信じない方がいいわ。

そういえば、人間界にはシュールリアリズムってものがあるじゃない?

あれは、魔界へ迷い込んだことのある人間が描き始めたモノだって知ってる?」

 シュール?

 何だか見ていると頭が混乱するような、その世界に飲み込まれて見たいような感覚に陥る、不可思議な絵のことか?

 オレはうなった。

 ここへ迷い込んでしまった人間はオレだけではなかったのだ。

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