キラめく堕天使

オレは手の中に、石を呼び出そうとした。

 赤い、石。

シュロスにもらった石。

 なのに、手の中には、紫色の石ばかりが出てくる。

 やり直し。

 赤を思い浮かべる。

 紫。

 くそっ。

 ぐずぐずしている間に、頭痛はひどくなった。

 何かを探知しているのだ。

 小道を挟んで、低い木と、背の高い草がその向こうの景色を目隠ししている。

 その草を掻き分ける手が見えた。

「ソニール!!」

 それが何者か確かめる前に、エレナが叫んだ。

 えと、誰だっけ?

 そうだ。

 エレナを騙して天界から落とした悪魔、だ。

 天使を誘惑したヤツ。

 一体どんなヤツなんだろう。

 息を呑む。
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