キラめく堕天使

がさがさっと音がして、エレナの背中に白い翼が生えた。

「あーやっと戻ったわ」

 光り輝きながら、エレナは本当に嬉しそうに呟いた。

「これで、天界まで飛んで帰れるわ」

 その久しぶりの感覚を愉しむかのように、翼を広げてみたりたたんでみたりした後、

「ねえ、天界への道を開くから、切ってくれる?」

 オレは言われている意味が分からないで、首をかしげた。

 エレナは構わずに、手のひらをふった。

 まるでほこりを払うようにそうしたかと思うと、そこに、金色に輝く扉の一部が見えてきた。

 エレナが撫でるたびに、その扉は姿を現わして、やがて、その上部が透かし彫りにされた扉の姿が現われた。

「これは?」

「天界へ直通の通路よ。天使じゃないと見つけられない」

「それで、オレに何をしろって?」

 エレナは、その扉のノブを押しまわして、開いて見せた。

 中からは、エレナを覆っている光の数倍強い光が漏れてきた。

 が、扉は全開するのを途中で阻まれた。

 見ると、黒い鎖がドアチェーンのように開こうとする扉に引っ張られて張っていた。

 黒い鎖は、楕円をつないだチェーンの形を取りながら、さらに長く鋭い円錐型の棘を身につけてい、所々に真紅のバラを咲かせていた。

「あたしには切れないの。」

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