キラめく堕天使

思って、何気なく、持っていた剣を振った。

 空を切る。

 と、景色がべろりとこちら側にめくれてきた。

「えっ?」

 小さくめくれたその先に、城の壁が見えた。

 オレはもう一度、今度は大きく剣を振るって風景を切り付けた。

 城の壁が大きく現われて、オレはその景色の中に飛び込んだ。

 振り返ると、青空が森の風景を飲み込むところだった。

 オレは崖の外れに立っていた。

 眼下には、細長い川が小さく見える。

そして、向かいには、オレが永遠に閉じ込められかけた、ゴブリンたちの宝の部屋が見えた。

 そこだけ明り取りの窓が開けられているのだ。

 それ以外に、中にゴブリンたちの彫った穴があることなど、分からせない。

 オレは崖から離れた。

 
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