キラめく堕天使

 マントはその裏地の強烈な赤をひらめかせて、太ももの上に巻き上がっていた。

 そして、彼女は向かって右の耳に、見覚えのある赤いピアスをぶら下げていた。

 黒い耳までの髪の隙間から、それが見えていた。

 オレは、立ち止まらずに歩み寄った。

 彼女はさっと立ち上がる。

 マントが流れて、右半身を覆っている。

 けれど、彼女は、彼女と呼びつつ、その裸体のどこにも性別を特徴付けるものが存在しなかった。

 滑らかな、肢体。

 優美なラインだけに描き出された、中性体。

「ようこそ。我が城へ。私の名はアルフェ」

 声は女性寄りのものだった。

 唇は笑っているけれど、心の中で笑っていないのは見えるように明らかだった。

 アルフェは手をあげた。

 すると、アメシスの叫ぶ声がして、オレは振り返った。

 彼女の首が不自然に曲がっていた。

とても生きているようには見えないほど。


< 183 / 212 >

この作品をシェア

pagetop