キラめく堕天使
 顔が鬼のような形相の人間で、体は四足の獣。

その体の表面には、うろこのようなものがびっしりと貼り付いている。 

 その生き物の口に、ねずみは引き裂かれた。

「逃げ遅れたら、オレ達だって、ああなってたんだ」

 オレが呟いた。

 黒い大型の犬のようなものがゆっくりと近づいて来、蛇の顔の生き物が四足で走りよって、すっくと二本足で立った。

 どいつも、ねずみを見つけるなり食らいついて、その肉を剥ぎ取った。

 オレは顔を背けた。

「何だ?気持ち悪いか?」

 オレに訊かれて、オレは、首を横に振った。

 
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