キラめく堕天使
この光景は、不思議と気持ち悪くはない。

まるでブラウン管を通して、肉食獣が草食動物を食らっているのを見ているのと同じくらい、当たり前の光景として捉えられる。

 でも、その無感情な自分が、何か、嫌だった。

 下の惨事はすぐにカタがついた。

 群がってきた超低級魔族達は、群がってあっという間にねずみを平らげると、方々へ散っていった。

「なあ?」

 オレはオレの中にいるらしいフィックスに声をかけた。

 けれど返事はない。

 何だったんだろう。

自分の意識を侵された感じではなかった。

 
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