キラめく堕天使
大きな一枚岩を避けて、穴は掘られていた。それに従って左手に曲がろうとして、オレは動きを止めた。
 
 音が一気に大きくなり、沢山の生き物の気配を一気に感じた。

 オレは岩陰にそっと身を潜めながら、そっと、明るい穴の先を覗いた。

 小さな人間がいる。

 地図のようなものを広げた人間と、それを覗き込むの。

 そして、つるはしのようなもので、ひたすら穴を掘る数人の工夫達。

 みなこちらには背中を向けていた。

が、頭に色とりどりでだぶだぶの帽子をかぶっている姿は、白雪姫に出てくる小人を思わせた。

 あれは森の妖精だった。

 
< 98 / 212 >

この作品をシェア

pagetop