君のとなり
「送っていこうか?」
さっきとは違う、優しい声で悠ちゃんが話しかけてきた。
「ううん。1人で帰れるから」
「また変な奴に捕まったらダメだぞ」
頭をポンポンとした悠ちゃんに涙が出そうになった。
「べ、別にさっきの人も変な人じゃないから…!!」
「へぇ~。あんな嫌そうな顔して?」
「…………」
「淳平も心配してたぞ。最近、ここの様子が変だって。もう、しないこと!わかった?」
顔を覗き込んできた悠ちゃんに、答えることができなかった……
「早く帰りな?じゃないと、家まで送るよ」
ニッと笑った悠ちゃんを見て、涙がポロッと零れて。
何も言わずに悠ちゃんに背を向けて走った。