荊姫~第二章~
「やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!」

ユキは叫んで手を伸ばす

しかし

ビシャッ

その場にいた人々の首や手足が飛び

辺りが血で染まっていた

それはまるで地獄絵図のようだった

「………っ」

ユキが伸ばした手は宙をかき

行き場をなくしていた

「………いや……」

ユキは目の前にある地獄を見て

その場に力なくしゃがみこんだ

そして

「……っいやぁぁぁぁぁぁ!!」

すべてを否定するかのように

目を固く瞑り

頭を抱え込んだ
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