グリンダムの王族
食事を終えると、セシルは兄たちを扉の外まで見送った。

ラルフが一足先に自室に戻って行く。
その背中を見送りながら、セシルは「冷血漢、、、」とぼそっと呟いた。

そして隣に居るカインを睨む。

「アランの名前なんか出さないでよ」

カインはちょっと苦笑しつつ、「悪かったよ」と謝った。

「お前が今になって”やっぱりいやだ”とか言い出すのを恐れてるのかな」

セシルはその言葉に何も言わずにじっと兄の去った後を見つめている。
そしてふっと笑みを漏らした。

「、、、アランを呼ぼうかな」

カインが、「ん?」と言ってセシルを見る。

「最近呼んでなかったのよ。一応、もうすぐ嫁ぐ身なので、その自覚を養おうかと思って」

カインが目を丸くした。セシルはちょっと笑うと、「でもやめたっ」と言った。

「我慢するのがバカらしくなったわ。
ファラントに行くまでは好き放題しようっと」

セシルはそう言いながらカインを置いて部屋に入って行った。

カインはそんな彼女の背中をじっと見送っていたが、やがてふっと笑みを浮かべた。
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