グリンダムの王族
「そうでもないみたいだぜ」

ギルバードが言った。意外な言葉にアランは「そうか?」と思わず聞いた。

ギルバードはふっと笑みを浮かべた。

「キスギルは豊かだったが、軍事力の点では不安があったからな。
ゴードの領地となってゴード王に守られることで他国の脅威からは逃れられる。
例えばグリンダムのような、、、」

「ラルフ様は領地を広げるための戦はしないだろう」

アランの言葉にギルバードは特に何も言わなかった。
少し間をおいて改めてアランを見る。

「いいのかのんびりしてて。お姫様がお待ちなんだろ」

アランは、「あぁ、、、」と言って、「じゃぁな」と声をかけるとまた居館に向かって歩き始めた。

ギルバードはその後姿をしばらく黙って見送ったが、やがて自分も騎士の館へと戻っていった。
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